クリームでシミをケア
世の中には、たくさんの「しみ取りクリーム」が出回っていますが、どれが自分に適しているのか、いまひとつわからない、と感じていらっしゃる方も多いでしょう。しみにどのように働きかけるのか、また価格によって効果が違うのかなど、しみ取りクリームに対し、多くの疑問もあるのではないかと思います。ここではクリームによるしみ取りのセルフケアについて解説します。
しみのセルフケア:クリーム
目次
しみ取りクリームの2つの効果
「しみ取りクリーム」の効果としては、まず大きく分けて
- ・今あるしみを消す効果が高いもの
- ・今後、しみをなるべく作らないようにするもの
の二つがあると思います。
前者は、すでに紫外線など何らかの刺激によって生成され、皮膚に沈着してしまっているメラニンを還元することによって薄くするか、あるいはそのメラニンが沈着している角質層のターンオーバーを促し。自然な形で新しい皮膚と入れ替えることによってしみを解決します。
後者は、しみの原因であるメラニンの生成を何らかの方法で抑制する、ということが目的となり、メラニンを作り出す手助けするチロシナーゼという酵素の働きを阻害したり、メラノサイトと呼ばれる、メラニンを産生する細胞に働きかける、といった方法が挙げられます。
どちらの効果を期待するのかなどによって、選択するクリームの成分は異なってくるでしょう。
しみ取りクリームの成分
しみ取りクリームの成分として、効果が高いので有名なのが「ハイドロキノン」、それから「ビタミンC誘導体」ではないかと思います。 特にハイドロキノンは、効果も高いですが、発赤、肌荒れやしみの部分が白く抜けるといった副作用も懸念されたために、最近まで日本では医師の処方が必要な成分でした。しかし近年では、濃度は低いものであれば、市販の化粧品にも配合可能になりました。 これら二つの成分は、これから新しくできるしみをできにくくしてくれると同時に、すでにできてしまったメラニンを還元し、しみを目立たなくしてくれる効果もあるという非常に効果的な成分です。 しかし、ハイドロキノンは前述したような副作用がありますし、ビタミンC誘導体もお肌を乾燥させやすいといった欠点があったりもします。使用に際しては慎重に行いましょう。 これ以外にもコウジ酸、リノール酸、プラセンタなど、さまざまな有効成分があります。
しみ取りクリームでセルフケアを行うメリットとデメリット
メリット
- ・手軽に使える
- ・使うものを自分で選択できる
- ・肌質に合えば、水分や油分のバランスも同時に整えられる
デメリット
- ・配合可能な成分濃度の制限があり、医薬品に比べると効果がはっきりしない場合も多い
- ・かぶれなどの副作用が出た場合に、自宅では対処しにくい
まとめ
病院で処方される塗り薬などより、作用も副作用もマイルドな市販のしみ取りクリームは、選択肢が広く、香りやテクスチャーなどの嗜好性が高く、自由に選べる楽しさもあります。それだけに病院の外用薬より使い心地が優れていたり、お気に入りになりうる製品も数多くあります。
また、しみ取りを通じて、自分の肌に注意を向け、今まで気づいていなかった早期のトラブルなどに気づくことができるセルフケアは、美意識を高めるのにもとてもよいものです。
しみ取りのセルフケアにおいて大切なことは、少なくとも数カ月単位で根気よく続けることです。それぞれの製品の注意書きを読み、用法を守って、正しく使用してくださいね。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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