睡眠でシミを防ぐ
ある程度年齢を重ねた女性にとって、しみは常に悩ましいものです。薬やクリームを使って、できてしまったしみが「ようやく薄くなってきたかな?」と思っても、また新しいしみができているのを見つけてしまう…そんな、いたちごっこの状態になることもありますね。新たなしみを作らないためには、紫外線対策とともに、生活習慣の見直しも大切です。ここでは特に「睡眠」について取り上げていきます。
しみを防ぐ:睡眠
目次
「しみはどうしてできてしまうの?」
しみができる理由は、とても多くあります。重要なところでは、やはり紫外線です。春先など、温かい日差しは気持ちのよいものですが、真夏でなくとも紫外線は常に多量に降り注いでいます。紫外線対策をせずに出かけて、後になって後悔することもあるでしょう。
また、しみの原因としてホルモンの関連も知られています。特に、近年話題になっている、頬骨付近など両側性に浮き上がるしみ「肝斑(かんぱん)」は、30代〜閉経までの女性に多く見られ、妊娠・出産、または女性ホルモンを含む薬の服用など、体内の女性ホルモンの量を大きく変化させる時期をきっかけに出現することが多いため、女性ホルモンが関連しているのではないかといわれています。
そして、ストレスや睡眠などの生活習慣も、多種多様なしみの発生に関与していると考えられています。
「しみに影響する睡眠」
私たちの生活の中で、睡眠は大切なファクターです。悩みがあったり、仕事が忙しかったり、あるいは赤ちゃんを育児中、といった事情で夜間眠れないと、肌が荒れてしまいます。そんな夜が続いてしまったある日、頬などに見慣れないしみがぽつんと出来ていた…ということはないでしょうか。
このように、しっかり睡眠をとらないとしみが出てしまうことがあるのです。人間は夜行性ではないので、基本的に朝起きて、昼間活動し、夜間は睡眠をとることで、自律神経のバランスが整い、ホルモンが正常に分泌されて、心身がうまく働くようにできています。
しかし、夜間ずっと起きていて、ごくわずかな睡眠時間しかとらないようなライフスタイルが習慣になると、本来は寝ている間に分泌される「成長ホルモン」と呼ばれる物質がうまく分泌されず、定期的に起こるべき「肌のターンオーバー」が遅くなったり、その周期が乱れてしまいます。そうしたターンオーバーの乱れによって、日焼けなどでできたメラニンがいつまでも残り、しみとして定着してしまう可能性が高まるのです。
「眠りたいのに、寝付けないとき、どうしたらいいの?」
特に夜更かしをしたいわけではないのに「どうしてもうまく眠れない」というのも現代人に多い悩みです。そんなときの解決法としては、
- ・睡眠環境を整える(寝具や寝室を快適に)
- ・夜間に携帯電話やパソコンの画面を見ない
- ・カフェインを控える
- ・運動や何らかのリラクゼーションを生活に取り入れる
などの対策をおすすめします。それでも、どうしても不眠が改善できない場合は、病院に相談してみましょう。必要に応じて、睡眠薬の処方なども受けられるかもしれません。
まとめ
睡眠は私たちの生活に欠かせないものです。でも、日中の活動が忙しすぎてなかなか自分の時間が取れないことや、夜のほうが静かで物事に集中しやすい、といった理由で夜更かしをしがちなのも、また事実です。
もちろん、どうしても睡眠時間が取れないような事情を抱えてしまう場合もあり得るでしょう。しかしやはり、しみを含む肌の調子、その他心身の状態について考えても、睡眠不足にはマイナス面が多くなります。
できるだけ睡眠時間がとれるように、時間の使い方を調整してみてください。また、特別な事情がないのに睡眠が足りていない、最近何となく体調がよくないと感じている方は、一度、睡眠の質と量を見直してみるといいでしょう。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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