薬で改善できる、できないシミ
もし、しみができてしまったらなんとか目立たないようにしたいもの。その改善方法の一つで手軽にできる方法の一つに、飲み薬や塗り薬など、薬による方法があります。しかし、しみにもいろいろな種類がありますから、使う前にどのくらい「勝算」があるのか知っておきたいですね。
ここでは薬で改善できるしみ、できないしみについて、解説します。
しみの薬:薬で改善できるしみ、できないしみ
目次
しみにはどんな種類があるの?
できてしまうとショックなしみですが、冷静に見ると、しみにはいくつかのタイプがあることに気づくかと思います。
1. 老人性色素斑
「老人性」と聞くとちょっと抵抗のある方もいるかもしれませんが、若い方にもできるしみです。長い時間かけて紫外線の刺激が重なったことによるものと考えられています。 特徴としては、平べったい感じで目立つふくらみはなく、頬の高くなっているところや目の外側など、太陽にさらされやすい部位に起こりやすいです。
2.そばかす
そばかすも、しみの一つです。紫外線などによる影響を受けますが、生まれつきの要因がより大きいしみとして知られています。
3.肝斑(かんぱん)
30代から50代の女性に多く、ピルの服用や妊娠、出産といった女性ホルモンがかかわる出来事を機に、目立つようになることが知られている、左右対称なしみです。
4.老人性疣贅(ゆうぜい)
よくお年寄りの顔にできるイボの一種で、しみの仲間と考えられています。
5.色素沈着
ニキビをつぶした跡や、顔に傷を負った後など、その部分に色素沈着が残ってしまうのを見かけることがありませんか? あの現象は「炎症後色素沈着」と呼ばれ、これもしみの一つとして考えられています。
それぞれのしみには、どんな薬が効きますか?
たとえば、最も頻繁に見られるしみ、老人性色素斑の場合「肌の消しゴム」などと呼ばれる効果の高い「ハイドロキノン」や、ビタミンCが用いられます。ビタミンCは、メラニン色素を作らせないようにする働きと、すでにできてしまったメラニン色素を分解し排出させる働きがあり、ダブルでしみに効果を発揮する優秀な成分です。 肝斑にはビタミンCのほか、トラネキサム酸の内服が良く用いられるようです。ただ、ある程度、長期間にわたって服用する必要があります。 このほか、そばかすや炎症後の色素沈着にも、ビタミンCの誘導体のほか、それぞれの状態に応じて薬が使用されることがあります。
薬が効かないしみはありますか?
薬が効かないしみとはどんなものがあるかというと、一つには老人性疣贅がそうです。薬のみで、このイボのような凸面をきれいにすることはできません。 また、あまりにも色が濃くなってしまったしみなどは、薬ではどうにもならないこともあります。色が濃くなってしまったしみに対しては、やはりレーザー治療が一般的で効果的ということになるでしょう。老人性疣贅に関しては、液体窒素でイボを凍結させてとる方法などが一般的ですが、あまりにも大きくなってしまうと、外科的な手術が必要になることもあります。病気同様、早期治療が大切ですね。
まとめ
しみができたら薬を飲んで治そうと思っていた方も、薬では改善しないしみもあるということがお分かりいただけたでしょうか 。テレビコマーシャルやインターネット広告などを見ると、多くのしみが、薬やサプリメントで簡単に治るように誤解されるかもしれませんが、そうではないのです。やはり予防を行って、しみを作らない工夫をすることが何より大切です。将来のトラブルを避けるためにも、紫外線を避けるなどの対策をしっかりとりましょう。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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