レーザー治療でシミを治療する

紫外線を避けたり、軟膏を塗ったり、飲み薬を飲んだり、食事に気を付けてみたり…それでもなかなか消せないしみに効果的な方法として知られるのが、レーザー治療です。しかし、しみによく効くということは知られていても、実際どのように治療を行うのか、費用などについては実際に施術を受けなければご存知ないかと思います。ここではしみのレーザー治療について解説します。

シミ

しみの医療(皮膚科):レーザー治療

目次

しみ取りにはどんなレーザー機器を使うの? その費用は?

現在、美容外科で使用するレーザーの機械は、多種多様でさまざまな特性のものが開発され、しみ取りなどの治療に活躍しています(Qスイッチルビーレーザー、YAGレーザー、フォトRF、IPLレーザーなど)。

これらの治療はいずれも健康保険の使用できない自由診療の扱いとなり、1×1cm程度のしみで約1万円程度~というところも多く、やはり通常の皮膚科診療に比べると、高額ではあります。また、自由診療の場合は、保険診療と異なり治療の種類によって基準額が決まっていないので、値段の設定はその医療機関に一任されています。ですから、同じ治療内容でも、料金が異なることになります。技術や機器、値段や信頼度など、よく吟味したうえで納得できる医療機関を決めるようにしましょう。

また、女性に多い肝斑(かんぱん)では特殊なレーザーのみ使用するなど、しみの種類や状態によって、適したレーザーがあるため、診断によってどういうレーザーを使用するかが決定されます。

レーザー治療はどのような手順で行われるの?

治療にどのくらい時間がかかるのか、痛みの有無などは気になるところです。 ここでは、一般的に非常によく使われるレーザーの一つである「Qスイッチルビーレーザー」で、しみのなかで最も多いとされる「老人性色素斑」を治療する場合について、例をあげて説明します。

まず、レーザーを当てるときには、輪ゴムではじいたような軽い痛みがあるので、気になる方は、照射予定部位に麻酔効果のある痛み止めのジェルを塗ったりテープを貼り、成分を皮膚に浸透させることで感覚を鈍くさせる処置が行われます。これは必須ではありませんが、痛みに弱い方、緊張感や恐怖心の強い方は行うとよいでしょう。

そのあと、いよいよ、しみにレーザーを照射します。大体先ほど挙げた1x1cmくらいの面積のしみで、30秒くらいと考えればよいと思います。よほど大きなしみでなければ、施術時間は10分程度のごく短いものです。

レーザー照射した後のしみはどう変化するの?

レーザーを当てたらすぐ、しみが薄くなると誤解している方もいらっしゃいますが、そうではありません。

  • 1.レーザー照射の直後は、しみの部分は白く変化し、その後、かさぶたができます。
    この時点では、かえって目立つようになっています。
  • 2.患部に刺激を与えないようにテープなどで保護します。
  • 3.そこから一週間くらいでかさぶたがはがれて、ピンクの新しい皮膚があらわれ、月単位で周囲の皮膚と同じ色になじんでいきます。

まとめ

まとめ

レーザーは、すでにあるしみに対して極めて有効な方法です。しかし、かなり身近な治療になってきたとはいえ、まだ大掛かりで、費用もかさむものです。また、魔法のようにしみをとってくれる、というイメージがあるかもしれませんが、予後の経過をみる必要もあり、しみ取り後のアフターケア、紫外線ケアなど継続した手入れを要する治療法でもあります。治療を決断する場合は、よく説明を聞いたうえで納得してから施術を受けるようにしましょう。

この記事の監修医師

院長
オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
経歴
2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める
所属学会
日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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