貧血
疲れて見えたり、老けて見えたりするクマ…。寝不足が原因と思われがちなクマですが、実は何らかの病気が原因となって起こっていることも考えられます。その一つが「貧血」です。
ここでは、クマを引き起こすこともある貧血について説明します。
貧血気味だとクマができるって本当!?
目次
こんな症状があったら貧血のサイン!
貧血とは、簡単に言うと血液が薄くなった状態のことです。
血液の中には、赤血球という血の赤い色の元になる血球があります。この赤血球は、肺からの新鮮な酸素を受け止めて、血液として流れていき、全身の臓器に酸素を渡す役割があります。
しかし、この赤血球が何らかの原因で小さくなってしまったり、変形したりして、正常でない形態になってしまうことで血が薄まったような状態になってしまうと、うまくこの働きが果たせなくなってしまい、全身の臓器が酸素不足を起こします。
貧血になると、一般的に以下のような症状が現れます。
- ・めまいや立ちくらみ
- ・大して動いていなくても、動悸や息切れがする
- ・疲れやすい、なんとなくだるい
- ・寒さを人一倍感じやすくなる
- ・食欲がなくなる
- ・顔色が悪くなる
- ・耳鳴りがする
また、氷などの変わったものが食べたくなる異食症といった症状が起こることもあります。
貧血の原因とクマとの関連は?
貧血は原因や起こり方によって様々な種類がありますが、一番多いのが鉄欠乏性貧血です。
これは、その名の通り、鉄が欠乏(不足)して起こります。
原因としては、まず、偏食やダイエットなど、取り入れる鉄分の量が必要な量に足りないということがあります。
また、普段は鉄分の摂取量は足りていても、妊娠中などは赤ちゃんにまわす血液のために赤血球をたくさん作らなければならず、鉄の需要が増えて追いつかなくなり、体内で鉄分が不足してしまうこともあります。
生理による出血や、消化管などからの出血が原因となって起こることもあります。
また、目の下の皮膚は非常に薄く、たくさんの細かい血管がある場所です。貧血になると、酸素をたくさんもった真っ赤なヘモグロビンがある赤血球がこなくなり、血行不良が起こると、黒ずんだ血液ばかりとなってしまい、目の下の皮膚を通して青っぽく見えます。これが貧血によりクマができる原因です。
貧血の治療法とケアは?
鉄欠乏性貧血では、まず鉄分をしっかり体の中に取り入れることが大切です。
食べ物では
- ・ほうれん草
- ・パセリ
- ・納豆
- ・マグロ
- ・プルーン
などに多く含まれています。また、鉄の吸収を良くするビタミンCも一緒に取り入れるのも良いでしょう。
食事で足りない場合は、医療機関に相談して鉄剤を内服しましょう。
また、消化管出血があったり、生理の量が内膜症などで多くなっている場合などは、そちらの治療も行うことが大切です。
さらに、鉄欠乏性貧血ではない原因で起こる貧血もあるので、症状を感じたら適切な診断と治療を受けるために、早めに受診することも大切です。
貧血によるクマのケアは?
貧血によって起こるクマは、前述のような血行不良によって起こる青クマであることが多いため、
- ・目元を温める
- ・保湿をしっかりする
- ・乾燥を防ぐ
などの基本的なケアが必要です。
血行を良くするという点ではお風呂をシャワーで済ませず、毎日湯船にゆっくりとつかると良いでしょう。このときに目元のマッサージもしてあげるとより効果的です。もちろん、睡眠不足やストレスも厳禁です。
しかし、元々の原因が貧血の場合、貧血自体を改善させないと、クマも治らないことが多いので、貧血の治療を行うことが先決であり重要と言えます。
まとめ
鉄欠乏性貧血は、若い女性に起こりやすい病気ですが、せっかくバッチリお化粧してもクマがあってはメイクも台無しになってしまいます。
頑張ってスキンケアをしてもなかなか治らないクマは、貧血が原因となって起こっている可能性もあるので注意が必要です。
程度が軽かったり、慢性的に貧血が続くと、体が慣れてしまってなかなか貧血の症状を感じにくくなってしまうこともあるので、今一度貧血に気を付けていきましょう。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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