ハイドロキノンでそばかすを消す
しみやそばかすに悩む方に、美白効果の高い成分として話題の「ハイドロキノン」。
薬事法の規制緩和によって、ここ15年ほどはこれを配合したクリームや美容液も市販されるようになっています。
以前は医師の処方が必要だったこのハイドロキノンについて解説していきしましょう。
ご存知ですか? そばかすを「ハイドロキノン」で隠す方法とは?
目次
ハイドロキノンって何?
ハイドロキノンは一見、私たちの日常生活ではあまり身近ではない言葉なのではないでしょうか。しかし、実は例えば毎朝飲むコーヒーや、果物のイチゴなどにも含まれる天然の成分なのです。
皆さんは理科や化学の時間によく使った、酸化・還元という概念を覚えておいででしょうか。酸化は酸素が結合すること、それから還元は反対に、酸化物から酸素を取り除く作用のこと。
この「ハイドロキノン」には還元作用があり、これを利用して工業的にも使われてきた経緯があります。例えば写真の現像などにも使われることがあります。
ハイドロキノンはなぜ美白効果がある?
ハイドロキノンが効果を発揮するのは、
- ・しみ、そばかすを引き起こすもととなる、メラニン色素を作るために必要な酵素の一種であるチロシナーゼが働くのを防ぐことによってメラニンの生成を妨げる働き
- ・メラニン色素を作るメラノサイトという細胞そのものを減らす働き
以上の二つの作用によるものと考えられています。
メラニンは、よく日焼けなどで話題になるように、紫外線の働きや物理的な刺激によって酸化され、より濃くなっていくことが知られています。ハイドロキノンは、この酸化されて濃くなったメラニン色素を還元することによって、すでにできてしまったしみやそばかすを薄くする、という働きもあります。加えて、これから出来ようとしているシミを予防するという働きも期待できます。
ハイドロキノンが効くタイプのしみ&そばかすとは?
優れた特徴をもつハイドロキノンですが、すべてのしみやそばかすに同じように有効というわけではありません。
皮膚は大きく分けて浅い表面部分にある「表皮」と、より深い部分にある「真皮」に分けられますが、ハイドロキノンは表皮部分にできたしみにしか効果がありません。メラニンの沈着が深い部分にあるときは、また別の対策が必要となります。
今回のテーマとなるそばかすについては、一部の紫外線によってメラニン色素が生成したしみと異なって、基本的に遺伝的要因がそばかすの発生の大きな部分を占めているのでハイドロキノンを使用したからといって、全く目立たなくなるというわけではありません。
ただ、そばかすもしみ同様、日焼けをするとやや濃くなっていくものなので、ハイドロキノンである程度リセットできる可能性はあります。
まとめ
出来てしまったしみやそばかすを薄くしてくれる可能性のある非常に魅力的なハイドロキノンですが、皮膚に赤みが出たり、塗った部分が白抜けしてしまったり、ハイドロキノンクリームを塗った後に紫外線を浴びてしまうとその部分のシミやそばかすが濃くなったり、使用には十分に注意が必要な物質でもあります。
ハイドロキノンの濃度が高まれば、効果も強くはなりますが、副作用やトラブルになる可能性もありますので、初めての方は濃度の薄いものからスタートしてみましょう。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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