赤あざ
「あざ」には、生まれつきのもの、後天的なものといった区分のほかに、色にも様々なものがあります。青いあざ、赤いあざ、茶褐色のあざ、などが代表的なものといえるでしょう。
今回は、この中でも特に「赤いあざ」について取り上げて解説します。
赤あざができる原因と対策は?
目次
赤いあざが出来る原因とは?
赤いあざは、私たちの血液の中にある酸素の運び屋として知られる「赤血球」によって赤い色に見えているあざです。
俗に赤あざといいますが、より専門的には「血管腫」と呼ばれるものです。生まれつきの赤あざもありますし、もちろん生まれてから出来るタイプの赤あざもあり、一言で赤色といっても紅色に近いものから薄い色まで多種多様です。
赤ちゃんに見られる赤あざの種類
・単純性血管腫
赤ちゃんが生まれた時からある「赤あざ」の代表的なもの。平べったい赤いあざで、見方によってはすりむいて傷から出血しているようにも見えます。輪郭がはっきりしていて、わかりやすいことが多く、自然には治らないので、目立つところにある場合にはレーザーなどで治療が必要です。
・イチゴ状血管腫
生まれて間もなく出来る赤あざの代表的なもの。赤くふくらみがあり、やや表面がごつごつした感じもあり、「イチゴ」を思わせる形状のものです。一歳くらいまではどんどん大きくなるのですが、その後は少しずつ縮んでいくので、それほど心配しなくても大丈夫な「赤あざ」です。
ただ、あまり大きくなると縮んだあと、その部分の皮膚がたるんだような状態になりますので、美容的な面で治療を行う場合はあります。
・サーモンパッチ
「サーモン」は、その色調を表したもので、おでこや眉と眉の間、目の周りなどにでき、あまり輪郭がはっきりしないため、色によっては目立ちにくい場合があります。赤ちゃんの2割くらいにはこのサーモンパッチがあるといわれていますので、おうちに赤ちゃんのいる方はお風呂上りなどに見えやすいので注意して見てみましょう。たいていは自然に消えていきます。
・ウンナ母斑
毛細血管が拡張したもので、こちらも単純性血管腫と同様、自然には治らないので気になる場合はレーザーなどで消すことになります。
大人の赤あざ
大人にも見られることのある赤あざとしては、
- ・外傷の後などに見られる血管拡張性肉芽腫
- ・上半身にできやすく、ポコッと丸く盛り上がるいぼのような老人性血管腫
- ・肝硬変の場合や、妊娠時などに見られることの多い、赤い網目のような雲状血管腫
などがあげられます。
まとめ
赤あざは、ほかの色のあざに比べて、皮膚の色とのコントラストから目立ちやすいことが多く、特に赤ちゃんの顔などにある場合は、ご両親は気にされる方も多いと思います。
ただ、赤ちゃんの赤あざの多くは、特に何もしなくても自然に消えていく可能性があるものです。サーモンパッチなどは赤ちゃんの2割以上にあるといわれるごくありふれた赤あざですから、あまり心配される必要はありません。
また、色が濃かったり、比較的大きくなるまで残った場合にも、現在は各種のレーザーが発達し、メスを使わずにキレイに治せる場合が多いですから、良性のものとはっきりしている場合は経過を見守ることをオススメします。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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