アトピー肌の美肌ケア
アトピー性皮膚炎は、非常に知名度の高い皮膚疾患ですのでその名前を聞いたことがない方はいらっしゃらないと思います。
子どもの頃からアトピーに悩まされているという方は、とくにお肌のケアには気を遣ってこられたことでしょう。最近では敏感肌用のお化粧なども増えていますが、アトピーの場合は初めて使うものにはとくに慎重にならざるを得ません。
そんなやっかいなアトピー肌の方のための肌ケアについて説明していきます。
乾燥、かゆみ、発疹 アトピー肌の美肌ケアについて
目次
アトピー性皮膚炎とは?
皮膚の強い乾燥とかゆみ、ぽつぽつとしたピンク及び赤色のふくらみを持った発疹(このような軽いふくらみを持つ発疹を丘疹(きゅうしん)と呼びます)を持つことは有名です。また、その強いかゆみのために、患部を掻きむしることが多く、何度も皮膚の組織が壊れることで、皮膚が肥厚(ひこう)して固くなってしまうことがあります。
このような部分は紫色がかった色に見えるケースもありますね。また、特に皮膚を掻いたときなどに白い粉のような感じで角質が落ちたり、ただれたりすることもよくみられる症状です。
症状は多くの場合、左右対称に現れ、赤ちゃんの場合は顔を中心に現れることが多く、幼児期、学童期になると、ひじや膝など、関節の裏側に目立ってくるのが特徴といえるかもしれません。一部は大人になる過程でアトピーが治る方もいらっしゃいますが、大人になっても症状が持続する方は顔や首など、ついつい掻いてしまう場所の皮膚が傷つき、再生することによりごわごわと厚みが出たりすることあります。
アトピー性皮膚炎の原因は?
これだけ多くの方が悩み、研究も数多くなされていますが、残念なことに現時点ではアトピー性皮膚炎のはっきりした原因はいまだにわかっていません。
ただ、やはりほかの多くの病気と同じように、生まれ持った体質も関係すると考えられています。
加えて、ハウスダストやダニといった生活環境、衣類の摩擦や食べ物との関連性も言われており、複合的な要因により発症、症状が悪化するケースが多いようです。
また、肉体的・精神的なストレスもアトピー性皮膚炎を悪化させることがあると考えられています。
アトピー肌の方の生活上の注意点は?
アトピー性皮膚炎がある場合、やはり日常生活においても皮膚に対する刺激をできるだけ避けることが大切です。
1.衣類は綿などの風通しの良いものを
汗をかくとかゆみが増すことがありますから、風通しの良い、柔らかい素材の衣類を着用するように心がけ、硬い素材や身体にぴったり張り付く衣類は可能であれば避けたほうが良いでしょう。冬場などにチクチクするようなウールの衣類を素肌に羽織るようなこともかゆみを助長させますからおすすめできません。
2.なるべくストレスを軽減する
アトピーには精神的なストレスも大敵です。とはいえ、悩みの種になるようなことは、生活している以上どうしてもやってきてしまうもの。可能であれば、自分なりに気持ちを整理する方法、オンとオフを切り替えられるような趣味や時間を持つようにしましょう。
3.患部を掻かない
当然のことですが、出来るだけ患部を掻かないようにしましょう。ただ、非常に強いかゆみが襲ってくる場合、患部を保冷剤や冷たいタオルなどで冷やしてみるのがお勧めです。かゆみも和らぎますし、ひんやりした肌触りが心地よいものです。
入浴するとかゆみが増す?入浴時の注意点は?
お風呂に入ることでかゆみが増してついつい掻きむしってしまう、だから湯船には入らないという方もいるようですが、アトピー肌の方にとって、入浴することは日常生活上のケアにおいてとても大切なことです。
刺激となるボディソープなどの使用は最低限に抑えるために、お湯で汚れを落とすのに十分な熱さがあり、かつ、肌に刺激になることがない温度設定にしましょう。
ゆっくり湯船に浸かって肌を柔らかくし、心身のバランスを整える時間に使えると良いですね。
入浴剤やシャンプー、石鹸なども吟味し、皮脂をとりすぎない、低刺激のものを選び、湯上りは濡れたままにせず、柔らかいタオルで優しく全身を拭き、必要に応じて保湿剤などを使用するようにします。
まとめ
ほかの肌タイプの方と異なり、アトピー肌は肌の状態ではありますが、同時に皮膚疾患でもあります。
刺激の強いスキンケア用品を使ったり、自己流のケアを長期間続けることで状態を悪化させてしまうと、後々皮膚が固く厚くなったり、色素の沈着が起こったりする可能性もあります。
まずはしっかり皮膚科の主治医の先生とスキンケアについて話し合うところか始めるのが何よりも大切です。アトピー肌に悩んでいても、適切なケアによってある程度は改善することも多いので、あきらめずにケアしていきましょう。
この記事の監修医師
- 院長
- オラクル美容皮膚科 院長 古市 雅子
- 経歴
- 2004年3月 東海大学 医学部 卒業
2006年3月 東海大学医学部附属病院 臨床研修 終了
2006年4月 東海大学医学部附属病院 麻酔科医勤務(標榜医取得)
その後、美容皮膚科にて院長などを歴任
2017年4月 オラクル美容皮膚科 東京新宿院 院長を務める - 所属学会
- 日本抗加齢医学会
日本美容皮膚科学会
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